鈴木健吾 父が支えた選手への道と指導者との出会い。負けず嫌いな性格と地道な努力でマラソン日本新記録

最後のびわ湖毎日マラソンで、日本新記録を出した鈴木健吾選手。
父が見出した才能と育てた指導陣にも興味が広がります。
びわ湖マラソンを中心に、鈴木健吾選手についてエピソードを探してみました。




鈴木健吾の父も陸上選手で全国高校駅伝に出場していた

鈴木健吾選手のお父さんというと、この場面を思い出してしまいます。

心配性で頭痛くなっちゃうお父さん、とってもいい人そう。

愛媛県宇和島南高校で高校駅伝に出場したことがある父、和幸さん。

やはり自分の息子にも陸上をやらせたかったのでしょうか。

鈴木健吾 幼少の頃から父は陸上をやらせようとしていた

小学生の時にはソフトボールをやっていた鈴木健吾選手。

負けず嫌いの性格はこの頃からで、ソフトボールでも走るのでも負けると悔しくて泣いていたといいます。

中学は野球かサッカーをやりたいと言っていたのですが

体の小さかった鈴木健吾選手、父は野球やサッカーより陸上のほうがいいんじゃないかと「三浦ランニングクラブ」に入会させました。

半分騙して?強制的に入会するも、クラブ内で楽しく走ることで陸上に夢中になっていきます。

ですが自宅で見せられる、父の高校駅伝の映像に鈴木健吾選手は「見てるふりをしていた」とか。

いくら気になっても何度も見せられたら…と気持ちを察します。




中学で陸上部に入部

父の策略?通り、鈴木健吾選手は陸上に夢中になり中学の陸上部に入部しました。

その陸上部には、かつて父を指導したコーチがいて「オヤジの記録をぬいたぞ」とハッパをかけていたそう。

父とコーチの思う通りになってしまってますが、才能とは見つけてもらえることが大切ですからね。

見つけて育てる人がいてくれたことにも感謝しなければなりません。

 

中学では力をつけ宇和島東高に進学。

ここで次の指導者と出会います。

鈴木健吾 神奈川大学陸上部へ

宇和島東高校陸上部に進んだ鈴木健吾選手。

まだ無名の選手だったが神奈川大学大後監督の耳に「いい選手がいる」という情報が入ったそうです。

こういう情報は独自のネットワークがあるのでしょうか。

まだ2年だった鈴木健吾選手に積極的に声をかけ、鈴木健吾選手側も進路を神奈川大学に絞っていたというから、早く目をつけオファーしなければいい選手は獲得できないものなんですね。

でも大学に入ってすぐは体調を崩すことが多く、思うように走れなかったようです。

3年生になってから調子を上げてきた鈴木健吾選手の活躍はこちらから↓

鈴木健吾選手のこれまでの活躍 学生時代から富士通まで




富士通入社 最初の一年は怪我に苦しむ

鈴木健吾選手は入社してすぐは怪我に苦しみました。

大腿骨、股関節、膝と次々に故障し練習できない日が続いたそう。

練習が好きでいつまでも走っている鈴木健吾選手にはつらい日々だったと思います。

ですが、その間に本格的にウエイトトレーニングに取り組みました。

MGCのときと今回のびわ湖マラソンでもかなり筋肉の付き具合が違います。

MGC

びわ湖マラソン

終始胸を張り、きれいに腕を振り最後まで変わらぬフォームで走り続けた鈴木健吾選手。

大学時代から続けてきた体作りが仕上がってきた感じです!

富士通に入社してからのトレーニング、気になります。

(中村匠吾選手もいますよね、こんな記録出しても中村匠吾選手にはかなわないという鈴木健吾選手。富士通陸上部はどうなっているのでしょうか)

 




鈴木健吾 日本新記録は日本人初めての2時間4分台!

鈴木健吾選手の出した2時間4分がどれだけすごいのかということをまず調べてみます。

日本人初めての4分台

これまでの日本記録は、大迫傑選手の2時間5分29秒

そこから33秒も記録を縮めたのです。

最後まで落ちないスピード

マラソンはコース、気候など条件が違うのでタイムだけではなんとも言えないと思うときもありますが、走るペースが40km地点で早くなっているなら、これは確実にすごいことだと言えます。

びわ湖毎日マラソン2021での鈴木健吾選手のラップタイムはこのようになっています。

1 鈴木 健吾 2:04:56 (2:57.7/km) 富士通 日本新記録
  0-  5km 14:53 (2:58.6/km)
  5-10km 14:53 (2:58.6/km)
10-15km 14:46 (2:57.2/km)
15-20km 14:49 (2:57.8/km)
20-25km 14:48 (2:57.6/km)
25-30km 14:50 (2:58.0/km)
30-35km 15:02 (3:00.4/km)
35-40km 14:39 (2:55.8/km)
40-Finish 06:16 (2:51.3/km)
前半 1:02:36 (2:58.0/km)
後半 1:02:20 (2:57.3/km)
普通の人の私から考えたら、後半のほうが速いなんて意味がわかりません。
35km〜40kmなんて、一番早い。
マラソン走る人は本当に選ばれた人だとわかります。

トラックでもロードでも今まで、日本人選手は最後にスピードを上げるケニア人選手らに引き離されていました。

そこが課題だとわかっていても、出来ないものは出来なかった……

それを鈴木健吾選手はレースでクリアして見せてくれました。

最後までトップ集団にいて、チャンスを逃さずスピードアップする。

途中まで大迫傑選手の日本記録より遅れていたのに、最終的にスピードアップできたから4分台を出すことができました。

見ていてわくわくする展開。走っている鈴木健吾選手本人もきっとワクワクしていたんじゃないかと思います。

お父さんはテレビのインタビューで「頭が真っ白になった」と言っていました。

ですよねー。

自分の息子が世界レベルの日本新記録を出したら、みんなそうなると思います。

お父さんが才能を見出したからこその記録ですね。




世界で59人

鈴木健吾選手が2時間5分を切ったとき

フルマラソンで5分切りをしていた選手は鈴木健吾選手を含め59人。

そしてそのなかで57位。

世界で57位、すごすぎる!!

さらに、アフリカ系以外では初の2時間4分台ということで、日本記録更新以外にも世界的にも注目されているのです。

ちょっと残念だったのが、日本記録更新の報奨金制度が終わってしまったこと。

資金がもうないそうで……。

日本実業団連合から出るとしたら、年度の最優秀選手に贈られる10万円が最高額なんだとか。

大記録を達成した鈴木健吾選手にもなにか!!

あと、東京オリンピックマラソン代表はすでに決定しているので変更はありません。

この調子のまま、次は世界陸上とか海外のマラソンとかを目指して頑張って欲しいと思います。

もちろん、その次のパリオリンピックも。

鈴木健吾選手をこれからも応援していきましょう!!

 




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